2015年度 一般社団法人 森青年会議所

理事長所信

 

理事長 岩本浩希

 

『我々こそが、地域の希望!欲するものを信じ、行動せよ!』

 

 1949年の第二次世界大戦後に日本の再建を欲し、誕生した青年会議所と同じく、1961年10月、当時の市街地の約3分の1を焼失させた「森町大火」の後、森町の再建を欲し、集いし有志たちにより1965年、一般社団法人函館青年会議所のスポンサードを受け、誕生した我々一般社団法人森青年会議所は2015年度を持ちまして創立50周年という大きな節目を迎えることになりました。今日まで町のため、地域のためにと活動してこられた先輩諸氏の意志に敬意を表すると共に、町の皆様に支えられ、今日の我々があることに感謝し、今年度、一般社団法人森青年会議所は自己、町、地域の利を強く欲し、力強く前進していきたいと考えます。

 現在、「真面目にがんばっても暮らしがよくならない」という日本経済のジレンマを克服すべく放たれた「大胆な金融緩和」、「機動的な財政政策」という二本の矢は正鵠を得、

株価、有効求人倍率、企業収益の数値をみても好景気の様相を漂わしております。しかし、地方、民間が待ちわびる「民間投資の喚起」という三本目の矢は実践、行動を必要とし、望み、願うだけでは何も変わらないものであり、行動なくして地方の再建は無いと考えております。実践、行動を柱とする我々青年会議所の理念、活動を今年度の事業を通じて示し、50周年という節目を好機ととらえ、能動者が能動者を生む豊かなまちづくりのサイクルを実現したいと考えます。

 我々が掲げる「明るい豊かな社会の実現」にゴールは無く、明るい未来を欲し行動するひとで溢れ、持続している社会の姿、プロセスこそが「明るい豊かな社会」であり、次代を担い、明るい未来に向け行動している我々青年会議所こそ希望そのものである。現存する、メンバーの強く、温かい力を信じ、その力を集結させ、光とし我が町を強く照らすことを私の欲とし、今年度邁進したいと考えておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

『変化を呼び起こせ!能動者が能動者を生む豊かなまちづくりサイクルの実現。』

 

2013年度に私が北海道地区協議会に出向した時、出向先の委員会の委員長に対して、初対面ながら、1年間共に活動する委員長の考えを知りたいと思い、「委員長の思うJCとは何ですか?」と問い質したところ、「JCの運動は変化の呼び起こしだ、JCは意識変革の能動者である。」と答えた。一方、仕事の関係で法人向けカウンセラーの講演を受講した際に、そのカウンセラーの言葉の中に「他人を変えることはできない、自分が変わりなさい」という、企業の経営者が従業員に対して、自分の思い通りに行かないのは当たり前だとする、経営者に対しての意識の変化を促す言葉があった。対局した考えではあるが、二人の言葉に納得をした私が思うJCの運動とは「自ら変わろうとする意識の醸成運動」である。町や地域に意識変革を呼び起こし、率先して行動する能動者が、新たに能動者を生み続ける運動を展開することで、豊かなまちづくりのサイクルを実現したい。

最近、ニュースで大企業の大学新卒者の面接の様子を目にしたところ、何百人といる新卒者全てが同じ色のスーツを着て、ほぼ同じ髪型をしていた。この光景が物語るのは平均点をよしとしてきた日本の姿を表しており、電化製品市場、携帯電話市場に於いて海外企業のイノベーションに遅れを取っている現状を物語っている。今、イノベーションを押し進める企業が欲しているのは平均点を取る100人よりも1人の「変わり者」である。この「変わり者」は地域活性化、地方再建に於いても鍵を握り、その創出には、普通がいい、周りと同じではないと不安を抱く青少年の思想の段階からの変革が必要と考えます。我が町の未来のため、本能的に行動する青少年の育成を進めていきたい。

 

『視点を変え、強い力を身に付ける。』

 

最近、フェイスブックなどの交流サイトで賑わいを見せた、ALS(筋萎縮性側索硬化症)支援運動である「アイス・バケツ・チャレンジ」。バケツに入った氷水をかぶる姿を投稿するか、100ドルを寄付するか、あるいはその両方を行う。そして次にやってもらいたい人を指名し、指名された人は24時間以内にいずれかを選択するという内容である。この一見「悪ふざけ」とも見て取れる運動は全世界で急激に広がり、ALS認知の拡大と寄付金の増大という結果をもたらした。賛否はあるが、一つ言えるのはこの病の深刻さを訴え、寄付を募るという、言わば「真面目」な運動だけでは絶対にここまでの結果は得られなかったと考えます。この運動が目的を達成するための手法であるならば、運動に於いて、視点変化の効果を示した形となりました。

我々が抱える会員減少という課題に対して、今までの手法では結果が得られないという事実を受け止め、「解散」を逃れるための、会員拡大では無く、JCに入会することで得られる自他の利を根底の考えとし、視点変化を取り入れ、会員拡大を実現したい。私が思う、JC入会での利とは、「可能性の拡大」と「リーダーになるための力の取得」である。可能性は出会った人の数に比例するものであり、能動的JC活動には可能性拡大の要素が無限大にあると言える。また、リーダーに必要なのは「知識」では無く、「人間力」、「対人力」、「コミュニケーション力」であり、この力を同世代の仲間と切磋琢磨して身に付けることができる唯一の「青年の学び舎」がJCである。

JAYCEEとは能動者である。能動者が地域に必要な存在であるから、JCは地域に必要なのである。

 

『解き放とう!集結した希望の力』

 

 今、「地方が無くなる」という言葉をよく耳にします。若者の上京理由が今までの「希望を抱いての上京」から、仕事が無いという理由からくる「仕方なくの上京」に変わり始めている。地方から若者が減り、高齢者の割合が増える「高齢化」であったが、今はその高齢者たちも、寿命や病院、介護施設の充実を求めた「地方離れ」の点から、減少をはじめており、地方の唯一の「需要」、「財源」であった高齢者の減少は若者の「地方離れ」をさらに加速させ、「地方消滅」の要因となっている。今、このように消滅の可能性がある自治体が896あると言われております。この課題に特効薬はなく、視点変化を用いた継続的な地方再建の運動を必要とし、我々はその土台となる「地方だからできる」、「地方にしかできない」といった「希望の意志」を醸成していきたい。

私がJCに入会した2010年度は、45周年という節目の年であった。そのとき打ち上げられた森JCの思いは、当時の私の心に衝撃と感動を与え、希望の種を植え付けました。今年度50周年というより大きな節目の年に、理事長という職を仰せつかり、その種を開花させる好機を得たと思っております。

 今、我々に課せられた次代の担いという「MUST」の中に内潜む「WANT」という「底知れぬ力」を開花し、集結させ、行動する姿を我が町に示し、「能動的になれば、なんでもできる」という自信と希望の種を植え付けたいと考えます。

 自分の限界を超えた力を引き出してくれる、かけがえのない仲間と共に、かけがえのない時間を共有し、今ある全ての体力と、今ある全ての精神力で共に歩み続けよう。

  

■ 基 本 理 念 ■

 

「希望溢れる能動者(ひと)による、希望溢れるまちづくりの実現」

 

■ 基 本 方 針 ■

 

「自他の欲を尊び、邁進しよう!」

 

私たちの生き方には二通りしかない。 奇跡など全く起こらないかのように生きるか、 すべてが奇跡であるかのように生きるかである。

 

アルベルト・アインシュタイン

 

奇跡的にこの町に生まれ

 

奇跡的にJCに入会し

 

かけがえのない仲間と奇跡的な出会いをする。

 

仲間と共に歩んだ奇跡が

 

人生のたからとなる。